スタッフブログ
Staff Blog

園芸培土の上手な使い方(ポット用培土編)

ポット育苗用培土の特性

ポット育苗に使う培土は、小さな苗を植え付けて本圃に定植するまでの期間の育苗に使われることが多いです。ある程度の大きさまで植物を育てる必要から、比較的肥料成分が高い製品が多く、なかには緩効性肥料を配合したものもあります。弊社の培土のなかでは、トマトやキュウリなどの育苗には窒素成分220mg/Lのものが良く使われています。

水やり3年! ポット育苗の上手な水管理

さて、ポット育苗では、水やりは「水やり3年」などと言われるほど重要で、苗のできを大きく左右する要素です。特にポット育苗の工程では植物の水分要求量も格段に大きくなり、水のかけかた一つで苗の姿がまったく変わってしまうほどです。

播種・セル用培土の水のかけ方のページでもお話ししましたが、基本は容器の底穴からわずかに水が垂れる程度、かつ、培土の中に乾燥した部分が残っていない状態になるようにかん水してください。育苗を開始する最初の水やりのときは水の量がわかりにくいと思いますが、弊社の園芸培土「ポットソイルF220」の場合でいうと容器の容積の4~5割程度の量が良いと思います。(土の乾燥の具合によっても変わるので、あくまでも目安です。)苗の植え付け時に、指でいくつかのポットに穴をあけてみて、内部まで十分に水が浸透していることをチェックするのがポイントです。

もう一つのポイントは、水をかけすぎないことです。水をかけすぎると容器の下から水がどんどん流れ出て、培土に含まれている肥料成分まで洗い流してしまう心配があります。これは育苗期間の長いポット用培土にとって死活問題です。水の量は足りなくてもいけませんし、多すぎてもいけません。容器の底穴に注目して、ぴったりのかん水量を心がけてください。

培土を乾燥させてしまった! そんなときは・・・

それと、お客様からよく頂くご質問で、培土をかなり乾燥させてしまい水が染みにくくなった、というケースがあります。ポット詰め後に放置してしまった場合や、培土が未開封であっても、日光や外気温の変化に当たった場合は、培土に水が染みこまなくなる場合もあります。まず、培土の保管は直射日光等が当たらない倉庫等に置いていただくことが基本です。ポット詰め後は放置せずに、すみやかにかん水する事も心がけてください。

セル用培土の水やりのページでも書きましたが、使用前の培土を乾燥させてしまった場合は、培土に対しして少量の水を加えて全体になじませるように、ふわっとかき混ぜると良いと思います。この際、培土をあまり練りこまないようにご注意ください。

育苗管理中に気を付けること

育苗管理中のかん水についても、水のやりすぎにご注意ください。夜間に培土が湿っていると、植物がひょろりと長くなる「徒長」の原因になりますので、午後3時以降は必要以上に水をやらないようにすると良いと思います。また、水のやりすぎは培土の肥料を洗い流して肥料切れの原因になったり、病気や根腐れの原因になったりとあまり良い事がありません。植物の様子を見ながらかん水量をコントロールしていただきたいです。

いかがでしたでしょうか。水を上手にかけること=培土を上手に使いこなすことにつながります。ぜひとも健苗を育成していただきたいです。

株式会社ホーネンアグリ営業部 坂野(土壌医)

アーカイブ