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土壌生物の種類とはたらき

はじめまして、今年の4月に入社しました、営業部の鈴木です。よろしくお願いします!

安定的に質の高い農産物を作るには「土づくり」がとても重要だとききます。良い土を作るには物理性、化学性、生物性についてなど様々な要素を学ぶ必要があり、一筋縄ではいきませんよね。(私も毎日が勉強の日々です!)そこで今回は、生物性に関わること「土壌生物」についてお話させていただきます!

土壌生物の種類

土壌中には糸状菌・細菌・放線菌・原生生物・藻類、センチュウ類など、多様な生物が生息しています。これらの土壌中に生息する微小生物を「土壌生物」といいます。土壌生物の種類と特徴は以下の通りです。

  • 糸状菌:糸状の菌糸を作る菌類で、一般的にカビやキノコ(担子菌類)と呼ばれているものです。菌糸を伸ばす際に多くの酵素を出して有機物を分解し、土壌中の有機物分解の中心的役割を担っています。
  • 細菌:大きさは0.5ミクロン~4ミクロン程度で土壌生物の中でも最も小さく、数が多いです。形状としては球菌、桿菌、らせん状、鞭毛、織毛を持つものもあるなどバラエティに富んでいます。
  • 放線菌:厳密には細菌の仲間ですが、放射状に伸びる菌糸(偽菌糸)を作るものが多いため、しばしば区別されます。各種の酵素や抗生物質を生産するものがあり、中には有益なものがあります。縁の下の匂いに例えられるような、土の独特の臭いを出すことも。
  • 原生生物:アメーバに代表されるような、細胞壁をもたない単細胞生物です。運動性を有します。
  • 藻類:主に土壌の表面近くに棲息しており、水田に多いです。空中窒素を固定するものもあるそうです。
  • センチュウ類:生活圏は広く、土壌中では細菌、カビ、微小動物、腐敗有機物などを食べて生きる種類と動物や植物の体内でその栄養を奪って生きる(寄生生活する)種類があります。後者は土壌病害の原因となるのでたいへん嫌われています。

土壌生物の種類と働き~なぜ土づくりに土壌生物は必要なのか~

土壌生物は多様で、作物生産にとって有害なものと有益なもの、そのどちらでもないものとがあります。その中でも、いわゆる「有用微生物」のはたらきは以下の通りです。

  • 植物の養分吸収を助けてくれる
    様々な土壌生物は入れ代わり立ち代わり(リレーのように)有機物を分解し、最終的には植物が吸収できる無機物まで変化させます。窒素を例に挙げると、動植物残さ(死体など)のタンパク質は多くの微生物によって分解・酸化され、アンモニアや硝酸などになってようやく植物に活用されます
    また、大豆の根粒菌のように窒素を固定して植物に供給したり、肥料成分を溶かして植物が吸収しやすくしたり、根の周りに生息して植物と共生関係を築く種類もあります。
  • 病原菌の入る隙間を無くして植物を守ってくれる
    土壌中において、土壌生物は互いに作用しあって存在しています。住み家や餌を奪い合って拮抗したり、互いにバランスを取りながら共存したりするなど、その関係性は様々です。そのなかで、植物の周辺で比較的有益な微生物が多様かつ豊富に存在していると、病原菌の急激な増加を妨げることが知られています。土壌生物同士のバランスが崩れ、多様性が失われると、最悪の場合は植物の病害や連作障害などの生育不良を招きかねません。

このように、良好な作物生育環境をつくるには、土壌生物の活性と多様性を保つことが大切だと言えます。

土壌微生物を増やす方法 ~堆肥類を使おう!~

堆肥類(堆肥、植物質汚泥肥料など)に含まれる有機物は土壌生物の餌となり、その増加を助けます。また、堆肥類そのものに豊富な土壌生物が存在しているため、十分な量の施用は土壌生物の補給につながります。特に、土壌消毒直後などは微生物の活性・多様性がかなり低下しますので、資材を投入する絶好のタイミングといえます。弊社ではスーパー越の有機-2号有機王といった銘柄をお進めしています。ぜひとも一度、お使いください!

ホーネンアグリ 営業部 鈴木

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