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有機農業と有機培土

化学肥料から有機の時代へ

コロナ禍やロシア・ウクライナ情勢、世界的な化学肥料需要の高まりなどを背景に、化学肥料は空前の高騰を続けており、特に輸入尿素に関しては1年で2倍以上の価格となっています。これに対して、政府の肥料価格高騰対策事業の中には化学肥料低減が組み込まれ、従来の(化学肥料主体の)農業から有機質肥料を活用した農業へのシフトが模索されている言えるでしょう。

令和3年に策定された「みどりの食糧システム戦略」でも、「2050年までに目指す姿」として「耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大する」とあり、これは令和2年時点の有機農業取組面積約2.5万haと比較して50倍もの面積にあたります。今や、有機農業は非常に大きな流れとなりつつありますが、有機農業に使える園芸培土については情報が少ないと言われています。そこで今回は、有機農業に使える育苗用培土についてお話ししたいと思います。

有機培土はコスト高?

有機農業の育苗においては有機肥料を使用した培土を選ぶ必要がありますが、有機JAS規格に適合する園芸培土はまだまだ少なく、一般的に非常に高価です。じつは、有機園芸培土のコストが高くなってしまうのには、それなりの事情というか、理由があります。それは有機園芸培土にとって鮮度がかなり重要だからです。

有機質肥料は水分や温度などの環境によって変化する場合があり、培土に配合すると更にその傾向は強まります。また、有機農業に用いる培土にはピートモス等の撥水を抑える界面活性剤を使用できないため、製造から長期間経過すると透水性が低下することがあります。これらの変化は育苗性能の低下につながるので、培土の鮮度管理が非常に重要となります。これはメーカー側から見ると、受注生産に近いシビアな在庫管理が必要な事を意味し、かなりの負担=コスト増の要因になります。

有機園芸培土を使いこなすポイント

このように、有機園芸培土は環境や時間経過に品質が左右されやすいという難点があります。育苗管理上は、同じ培土を使用していれば、いつでも、常に一定の生育パターンを示すのが理想だと思いますが、有機園芸培土はその点ではかなり不利です。それでも、なんとか使いこなすために次のポイントを抑えていただきたいです。

まず、肥料成分の変化や乾燥による撥水を防止するために、①培土の開封後は速やかに栽培に入ること②培土をその作で使い切ること③培土を次の作へ持ち越さないこと、等が重要です。また、ピートモスの使用割合が高い培土(特に播種用の製品)は、初めにかん水の試験をするのがお勧めです。セルトレイ等の容器に培土を詰めて水をかけ、水が培土の内部まで充分に浸透することを確認してください。もし水がうまく染みこまない場合は、培土に少量の水を加えてかき混ぜることで改善することが多いです。この際、水を加えすぎると培土が練られて使いにくくなるので注意が必要です。

また、育苗管理中のかん水量はセルトレイやポットなどの容器の底穴から水が漏れない程度にすることが重要です。かん水量が多すぎると肥料が流れ落ちてしまい、生育ムラや肥料切れの原因になってしまうからです。

有機園芸培土はしっかり選んで使いこなす

以上のように、有機園芸培土は買うにも使うにも、従来の製品とは異なる慎重な取り扱いが必要です。反面、時代の要求に合致した有機農業を行う上では欠かせないものとなっています。最適な製品を選び、上手に使いこなして豊かな実りを実現していただきたいと思います。

弊社では「有機播種用培土」「有機鉢上げ用培土」という二つの銘柄を生産しております。いずれも老舗培土メーカーがノウハウを注ぎ込んで作った製品です。「有機農産物のJAS別表等への適合性評価済み資材リスト」にも掲載されているお勧めの一品ですので、ぜひ一度お試しいただきたいです。B2Bサイト「エコアグリーン」でもご紹介しております。製品のご紹介動画はこちらです。ご不明の点、ご相談などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

株式会社ホーネンアグリ営業部 坂野秀人(土壌医)

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