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肥料成分の三角関係? 知っておきたい相互作用

いろんなものを、適量ずつ食べるほうがいい

「ご飯のおかずに、うどん、更にデザートはパン?・・・って、そんなに炭水化物ばっかり食べられるわけないじゃないですか!3種類ちょっとずつならいけますよ?どれも好きですし。」そんなイメージ。そう、これはカルシウムとマグネシウムとカリウムの関係性についてのお話しです。今回は、肥料成分の拮抗作用を含む「相互作用」について書かせていただきます。

植物の必須17元素+1有用元素

植物は様々な肥料成分を吸収します。生育に必要不可欠な元素は17種類あって、大量に必要な多量要素として炭素・酸素・水素・窒素・リン・カリウム・石灰・マグネシウム・硫黄、ごく少量必要な微量要素として鉄・銅・亜鉛・ほう素・マンガン・モリブデン・ニッケル・塩素となっています。これにイネに対する有効性から有用元素としてケイ素を付け加える場合もありますね。(余談ですが、上記の微量要素8個の早覚えに「鉄道アホウも二万円(Fe・Cu・Zn・B・Mo・Ni・Mn・Cl)」という呪文?を考案しました。)

肥料成分の拮抗作用

これらの肥料成分には、他の成分の吸収を妨げたり、逆に促進させたりする働きがあることが知られています。これが肥料成分の相互作用です。お互いに妨害しあう作用を「拮抗作用」、吸収を促進する作用を「相乗作用」と呼びます。冒頭の例でいうと、カルシウムとマグネシウムとカリウムの3つには拮抗作用があり、いずれかが多すぎると他の吸収が妨げられてしまいます。

拮抗作用の具体例としては、写真のようにキュウリの葉っぱがフチからカリカリっとカールするカッピング(カップリングとも言います)という症状があります。直接的な原因はカルシウムの欠乏症ですが、土壌分析をしてみるとアンモニア態窒素やカリウムが過剰で、カルシウムの吸収を妨げていた、という結果が出ることがあります。他にも、カリウム過剰の場合にマグネシウム欠乏症が発生するなど、土壌の養分バランスはたいへんデリケートな問題だといえます。

低コストの秘訣は過剰・不足の見極め

拮抗作用と相乗作用を知っていると、肥料成分を無計画にガンガン入れるのは大変危険だということがよくわかります。必要なものを必要なだけ入れるのが低コスト・省力につながりますので、土壌分析を活用しながら施肥設計をしていただきたいです。

株式会社ホーネンアグリ営業部 坂野(土壌医)

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